本文へ移動

代表メッセージ

未来をひらくエネルギーと技術を 福島から、そして世界へ

代表取締役 佐藤 順英

1956年 秋田県生まれ。

1978年、電力会社系列の設備メーカーに入社。プラント設備設計者として様々な仕事を手がけ、経験とノウハウを積み重ねる。

1992年、「自分のアイディアをもっと形にしたい。自由度の高い環境で仕事をし、もっと社会の役に立ちたい」という思いから、ビーエイブルの前身であるエイブル設備(株)を設立。

2011年3月11日、東日本大震災発生。本拠地福島が甚大な地震被害を受けただけでなく、電力関連事業を主力としていた経営基盤も失いかけ会社も存続の危機に直面するが、福島原発事故鎮静化のために自ら先頭に立ち全社を挙げて作業に取り組む。

以後、ビーエイブルは福島の電力インフラの復興作業を継続中。
廃炉作業におけるロボットでの福島第一原子力発電所1・2号機の排水業務や排気筒のリモート解体など新技術の確立を成し遂げると共に、従業員数・事業規模も拡大。

再生可能エネルギー事業にも取り組み、いわき市好間町では木質バイオマス発電所(発電電力11. 2万kw)も計画・建設し、運営を行っている。

「エイブルフィロソフィー」と、ビーエイブルの社是である「利他」についてお伺いしたいです。

我々は「利他」ということを一番大事な基本精神としています。
世のため人のために尽くすということが人として最高の行いだと私は常々思っているので、仕事を通じて世の中の役に立っていこうというのが基本的な精神で、それを「利他」という社是としています。

また、この会社の経営は何のために行うのかというと、世のため人のために頑張るには、頑張るその人自身が暗かったり悩みを抱えたりしていたら人のためになど尽くせないので、まずは全従業員が物心両面で幸せでいること、併せて人類社会の進歩発展に貢献しようというそんな思い、従業員ファースト、従業員が一番大事だという、そういう信念でやっています。

色々な事業をするにあたっても「これが全従業員の物心両面の幸せに通じることか?」ということをみんなで自問自答して、"世の中として正しいこと"に照らし合わせて仕事をしていくことを常に基準にしています。

ビーエイブルの事業で、その「利他」の精神が最も現れているのが、東日本大震災発生時から現在に至るまで、ずっと取り組まれている廃炉の作業かと思います。

そうですね。事故発生当時、放射能は目には見えないし体にどんな影響があるかもよくわからないところがあるのでまずは避難しなければならない、でも同時に誰かがこの事態を鎮静化しなければならないわけです。

そこで私が一番最初に現場を見に行きました。そして「これは放射能が強いところに近づかなければ、他はそうでもないな」というのを自分の眼で見て理解し、「ここまでなら沈静化に協力できるがここから先は社員は入れさせられない」と確定した上で社員に協力をしていただいた、という経緯があります。社員に対して沈静化作業への協力は強制しなかったのですが、結果的に現場に精通した社員は皆集まってくれて、早期の事故鎮静化に寄与することが出来ました。

そういった意味では、震災前から「利他」の精神についで話していたことが、社員皆にも浸透していたのだと思っています。

この時のこともあり、社員に対しては非常に恩義を感じ、ありがたいと思っていて、これからはそうやって頑張ってくれた社員に対し、恩返しをしていかなければいけないと思っています。恩返しというのは、具体的に言えば、会社を立派にして 社員をもっと物心両面で幸せにして 「ビーエイブルで働いている」ということが誇りになるような、そんな会社となるように頑張るということです。
そのためにも、新しい人材を募り会社のステージもアップして次に継いでいきたいと思っています。

大変な時を共に乗り越えた社員さんは勿論ですが、そういった社長の思いに共感して、新しく入ってきた社員さんも多くいらっしゃいますね。

ええ、それは大変ありがたいことだと思っています。
やはり仕事はみんなでやるものなので、当時いた社員だけでなく、新しく来てくれた社員も、みんながハッピーになればいいなと毎日思っています。

ご自身が仕事をする上で、「利他」の精神の他に大切にしていることはありますか。

何が人として正しいか、これはやっていいことなのか悪いことなのかというのを常に判断の基準にしています。
また、仕事をしていると色々な困難に出会いますが、そんな時は自分磨きというか、修行させていただいてるんだなと思って、その試練に感謝しながら方策を考えていくようにしています。

創業時からのプラント建設・メンテナンス工事・ロボット開発などに加えて、近年では再生可能エネルギー等の新しい分野にも事業を拡げられています

はい、現在 最大級の規模の木質バイオマス発電所を運営しています。他に太陽光発電、風力発電、小水力発電も手掛けています。
再生可能エネルギー事業を始めたのは、地球温暖化や脱炭素などの世の中の風潮に押されてではなく「社員を守るため」という必要性に迫られてでした。震災後 廃炉作業を進めるうちに、当社の大事な社員が何人も被ばく線量限度に達して、これ以上廃炉作業では働けなくなるわけです。そんな社員の雇用を維持するために始めたのが再生可能エネルギー事業だったのです。

最初は太陽光発電事業を手掛けていたのですが、当社の雇用規模などを考えると相当大きな発電所を作る必要がありました。そこで事業計画を立てて銀行に融資の相談に行くのですが、この規模の発電所の建設は通常ならば大手電力会社と大手総合商社が組んで行うもの、言ってみればプレーヤーが決まっていて、銀行からは「あなたみたいなところがやる仕事じゃないよ」という風に言われて最初は取り合ってもらえませんでした。

もっともな意見なのですが私としてはどうしても社員を守らなければならない。
話し合いを重ね、理解を得て融資を取り付け、他にも様々な問題を乗り超えて、10年近く歳月はかかりましたが、こうして木質バイオマス発電所を建設・稼働させることができました。

そもそも私は、再生可能エネルギー事業は利益を追求するためだけにやってはいけないと考えています。

震災後、脱原発の動きと再生可能エネルギーへの注目が高まる中で当時の政権がFIT制度を作りました。(FIT制度:再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定期間固定価格で買い取ることを国が約束する制度)
国がお金を出すよ、すごく儲かるよ、というわけで皆こぞって太陽光発電をやるわけです。福島にも事業者さんがやって来て、放射能で汚染された我々の土地に太陽光パネルを一面に敷いて、そこで発電された電気は東京に売って莫大な利益を得ていた、ということがありました。

そんな在り方ではなく、地域で発電した電気はその地域で消費して発電作業も地域の人が行う、オペレーションも地域で行う、それにより地域が雇用面でもエネルギー面でも活性化される。地域と一体となって事業を行い、それが地域創生・地方創生へとつながる..私はそういった在り方が望ましいと考えて、再生可能エネルギー事業には取り組んでいます。

当然、会社である以上は利益も出していかないと全従業員の物心両面の幸せは追求できません。会社が成長して、給与額を上げていって、得た利益を基に研究開発をして、世の中に良いことをして、さらに会社が成長して....というように利益は出さなければいけないのですが、利益を出すのが第一の目的ではなく、やはり人類社会の進歩発展に貢献していくことにより、全従業員が幸せになって、会社も利益が出ていくのが理想ではないかと、私は考えています。

現在は地元福島での事業を中心に全国各地でもお仕事もされていますが、今後はさらに広い事業展開も考えていらっしゃるのでしょうか

そうですね、 現在福島第一原発で行っている廃炉作業ですが、今後は国内でも古い原子力発電所を廃止していく動きがありますので、ここで培った技術を全国に、ひいては海外でも活かせればと考えています。

そして、廃棄物の処分問題も考える必要があります。
青森県の六ケ所村に使用済核燃料の再処理工場が建設されていますが、最終的にはプルトニウムと使用済核燃料に分けて処理し地中深く埋める「最終処分」をしなければいけません。そういった問題も視野に入れながら、当社の若い社員にスウェーデンやフィンランドなどの最終処分を実施している国へ見学に行ってもらうなどの取り組みを進めています。

やはり自分たちのことだけを考えるのではなく、将来の子供たちのことも考えたら、そういった最終処分をきちんとやらなければならないというのと、再生可能エネルギー事業をやってみて実感しましたがそれだけで国内の電力を賄うのはなかなか厳しいので、原子力には頼らなければいけないところがありますが、今の原子炉はうまく制御できない、パワーがありすぎるんです。

そこで現在、アメリカでは制御しやすい小規模原子炉の開発が進められていて、その勉強にも当社の社員が行っています。
近い将来は小さな原子炉と再生可能エネルギーでエネルギー資源の乏しい日本を安定化させる、そして出た廃棄物はきちんと処理できる仕組みまで確立させる、将来的にはそんな会社になってほしいなと考えています。
そこまでのビジョンを伝えて、後世に引き継いでいきたいですね。

最後に、これから共にビーエイブルで働く未来の仲間へ向けて、メッセージをお願いします。

今は色々な働き方があり随分世の中も変わってきていると思います。
楽をして栄光は得られませんが、一生懸命頑やっていれば必ず花が開く、それを信じて地道に真面目に誠実に、利他の精神で、卑怯なことをせず真の勇気をもって、卑しい心ではなくピュアな心で頑張れば、必ず道は開けると思っています。
アメリカの作家、レイモンド・チャンドラーの「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」という言葉があります。
強く優しく逞しく、そして清く正しくですね、そんなところです。